株式会社リョケン

旅館経営の知恵

-リョケン研究員が
お届けする経営のヒント-

旅館のユニバーサルツーリズムへの対応(第二回)

接客現場のオペレーション

旅館・ホテルはどのような商品、サービスを提供すべきでしょうか。 最も重要なことはこれまでと変わらず、「安心してくつろげる場」の提供です。 ただし、ユニバーサルツーリズムへの対応を進めるということは、障害のある方や外国人などさまざまな方が対象となり、商品づくりやサービスの考えを、こういった方々にも向けていくことが必要になります。

ユニバーサルツーリズムにおける宿泊施設の役割

まず、対象となるお客様が旅行に行く際、どのようなことに不安を感じるのか、何に困っているかを知る必要があります。
参考までに、観光庁が 2014 年に調査した「ユニバーサルツーリズムに関わるマーケティングデータ」の中の「介護者が要介護者の国内宿泊旅行に行く際
に不安に思うこと、困ったこと」に関するデータをご紹介します。

 

介護者が要介護者と国内旅行に行く際に、最も不安なのは、多い順に以下の通りとなります。
「歩行距離の長さ」、「トイレ休憩」、「他の参加者と同様の行動」、「浴室での
介助」、「浴室での転倒」

 

また、国内宿泊旅行に行って困ったこととして、観光地、宿泊施設、交通機関それぞれで、以下のものが多くあげられています。
『観光地』・・・「表示」、「移動の歩行距離」、「段差」など
『宿泊施設』・・・「表示」、「段差」、「エレベーターがないこと」など
『交通機関』・・・「乗換に関わること

ユニバーサルツーリズムとは、宿泊施設が単体で取り組むだけで成功するものではありません。お客様にとっては、自宅を出発し、観光地や宿泊施設での滞在を楽しむ、そして安全に帰宅をする、これらの一連が旅行です。つまり、地域の観光施設や交通機関と情報を共有しながら、地域全体で「安心できる旅行」を築き上げていくことで、本当のユニバーサルツーリズムが完成します。とはいえ、本コラムは旅館・ホテル向けを趣旨としていますので、宿泊施設として考えていくべきことに絞って考えていきます。

◆リョケンでは、旅館・ホテルの接客力向上のための講座を定期的に開催しています。研修の講師派遣も承ります。また、書籍・eラーニング接客講座もございます。
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