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旅館の「DX」を考える 1. DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

旅館・ホテルのデジタル活用

旅館業界においても、数年前と比べ、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉への認知度は上昇しています。しかし、DXがどの旅館でも取り組むべき課題という認識はどれだけ広がっているでしょうか。   人対人のサービスが中心である宿泊業界は、中でもデジタル化が遅れているように感じます世の中の価値観の変化への対応に加え、迫りくる少子高齢化による人材不足を乗り越えるためには、旅館においてもデジタルの活用は必須事項です。

(1)DXとは単なるデジタル化ではなくデジタルを活用した変革

さまざまな場所で目にすることが増えた「DX」という言葉。DX(デジタルトランスフォーメーション/Digital Transformation)とは何を意味しているのでしょうか?

 

「デジタル」という言葉が先行して「デジタル化」のことと捉えられがちですが、そもそもの起源は、スウェーデンの大学教授が2006年に提唱した「ITの浸透により、人々の生活が根底から変化し、よりよくなっていく」という考え方と言われています。

 

経済産業省「DX推進指標」では、以下のように定義されています。

 

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

 

「変革」のためには、これまでの固定観念を捨て、新たな価値を創造していくことが必要となります。

 

(2)なぜ、デジタルなのか

人類の歴史において、新たな技術は人々の生活に大きな変化をもたらしてきました。そして、そこから新しいビジネスが生まれました。多くの新しい技術は、「社会をより豊かにするため」に生まれており、そうした技術者の思いによって、今、私たちは便利な暮らしができています。

2016年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)では、「あらゆるモノがインターネットにつながり、そこで蓄積される様々なデータを人工知能などを使って解析し、新たな製品・サービスの開発につなげる等」のIT技術の発展を「第4次産業革命」と位置付けています。

 

デジタル技術の進化は、かつて蒸気機関が発明され機械化が劇的に進んだように、社会に変革をもたらすと考えられているのです。しかもその技術革新のスピードは速く、人々の生活への浸透も急速に進むと考えられます。

 

社会に浸透し、当たり前のように日常生活で利用し始めているものを、組織内では利用していないとなると、働くスタッフも利用するお客様も不便に感じることでしょう。例えば、かつては「電話」も新しい技術でしたが、「電話がないと仕事にならない、ないのは時代遅れ」というほどの業務上の支障が出るまで設置しない企業があったかもしれません。そういった企業は、多くのビジネスチャンスを逃したに違いないと考えられます。

 

社会の変化を変革のチャンスととらえ、その鍵となる「デジタル」を活用することが企業の存続と発展に不可欠となるのです。

 

(3)コロナ禍でデジタル化が加速

新型コロナウイルスの感染拡大により、世界的に人の移動が制限され、オンライン上でのやり取りをせざるを得ない状況に陥りました。Web会議システムの急速な普及は、ビジネスの進め方や働き方を大きく変えるきっかけとなっています。また、非接触・非対面の必要性から、キャッシュレス決済や自動精算、ロボットの活用など、対人サービスのあり方も変化しています。

 

コロナ禍でこれらの対応をやむを得ず始めた企業が多いと考えられますが、感染拡大が長期化するにつれ、社会に浸透し、新たな価値観として定着しつつあります。つまり、コロナ後もコロナ前の状態に単純には戻らないと考えられます。

 

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