株式会社リョケン

旅館経営の知恵

-リョケン研究員が
お届けする経営のヒント-

業務効率化への取り組み(7)

前回に続き、「運搬改善の着眼点」について申し上げる。

運搬改善の着眼点(2)

(ⅳ)モノはまとめて運ぶ(コンテナ化)

「まとめて」とは「一度にたくさん」というよりも、「ひとまとめにして」という意味だ。このような考え方を物流の世界では「ユニットロードシステム」と呼ぶ。
「ユニットロード(unit load)」とは「ユニット化された貨物」といった意味である。これには、「コンテナリゼーション」―貨物をコンテナに詰めて、荷役や輸送など行う際の取扱単位とする方式と、「パレチゼーション」―コンテナ化されていないものをフォークリフトなどの機械で運搬する際に「パレット」と呼ばれる「すのこ」状の荷台に乗せて行う方式がある。
このようにすることで、積み下ろしを機械で行ったり、発地から着地までの輸送や保管などを一貫して行うことができ、荷役効率や輸送機関の運用効率の向上が図れる、物品の破損や紛失の防止、包装コストの節約にもつながるとされる。
旅館の館内でフォークリフトが使われるケースはあまりないと思われるので、実情に即しているのは「コンテナリゼーション」だろう。
前にも述べたが、食器や料理などは極力定形のプラスチックコンテナに入れて扱うことである。特にコンベアなどの「料理搬送システム」を導入する場合には必須だ。
加えて言えば、食器などの物品は種類ごとに「定数」を決めてコンテナに入れるようにすれば、使う際に数える必要がない。

(ⅴ)運搬(移動)回数を少なくする

運搬回数は、「運搬物の数量÷1回当たり運搬数量」で決まる。運搬回数を少なくするためには、1回で運ぶ数量をなるべく多くするのが至極当然の理屈である。
一般論的に言えば、小さい単位のまま運ぶよりも、大きい単位で運んでから小分けする、もしくは大きい単位になるまでためてから運ぶことだ。しかしこれがなかなかそうなっていない。
サービスの係が客室階などからいちいち調理場へ降りてきて、出来上がった料理を次々に手運びするといった光景が、いまだに多くの旅館で見られる。「出来立ての料理を冷めないうちに」という意図でそうなっているのだろうが、これは係が「取りに行く」方式から、中番とかランナーと呼ばれる人が「配達する」方式に変えた方が合理的である。物量的にそうであるばかりでなく、だいいち「人の移動回数」の総量が全然違う。
また食材冷蔵庫と製品冷蔵庫は、事情が許す限り独立させることをお勧めしたい。衛生管理面でも求められることだが、「食材を取り出すために、いったん入れた料理をどかしてまた戻す」といったことが毎日繰り返されているとすれば、そのロスは大きい。

(株式会社リョケン代表取締役社長 佐野洋一)

※当記事は、2016年12月に観光経済新聞に掲載されたものです。

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