株式会社リョケン

旅館経営の知恵

-リョケン研究員が
お届けする経営のヒント-

旅館のインバウンド対応(第1回)

今後の経営戦略

様々な理由でインバウンド受け入れに消極的な施設もあるようですが、外国人か日本人かと対象を絞り込むのではなく、利用対象者をボーダーレスで考える―それこそが、国境を越えて情報が簡単に行きかう現代におけるターゲットの考え方ではないでしょうか。 魅力的な宿泊施設が数多くあれば、地域、そして日本が旅の目的地として注目される要素になるでしょう。日本が観光立国となる礎を支える魅力的な宿泊施設となる第一歩を今こそ踏み出すタイミングです。

1.個人客化が進むインバウンド市場

日本人の国内旅行において、団体から個人客へのシフトが進んでいることは業界内で広く認識されていることと思います。では、インバウンド市場についてはどうでしょうか。外国人観光客が増え始めた当初は、東京から箱根や富士山を経由し関西へ向かうゴールデンルートを巡る団体バスツアーが主流で、アジア地域からの団体客誘致を熱心に行う地域や宿泊施設の取り組みが度々取り上げられてきました。しかし、日本人の旅行スタイルと同様、旅慣れた旅行者が増え、旅行市場が成熟してくると、ハイライトを短期間で巡る旅行スタイルは徐々に変化し、団体ツアーから個人旅行へのシフトが始まります。日本のインバウンド市場でも、既にコロナ前から個人旅行へのシフトが始まっていました。

 

観光庁「訪日外国人の消費動向調査 2019年 年次報告書」では、2019年の訪日外国人の旅行手配方法は、「団体ツアー参加」16.9%、「個人旅行パッケージ利用」6.5%、「個別手配」76.6%となっており、コロナ前の時点でパッケージ利用も含めた個人旅行は8割を超えています。これが意味することは、「旅行会社にツアーの宿泊先として選ばれる宿」ではなく、日本国内と同様に、インバウンド市場においても「個人客に選ばれる宿」になっていく必要があるということです。

 

日本は少子高齢化で、人口減少は今後も進んでいきます。お客様となる対象範囲は広いに越したことはないはずです。誰でもよいからお客様を増やしましょうということではありません。「国籍を問わず、自館を気に入って下さるお客様にご利用いただく」チャンスを逃さないようにするということです。「うちはインバウンドの受け入れまで手が回らないから、特に何も対策をしていない」という宿泊施設こそ、取り組むべきタイミングです。

 

2.外国人観光客の特性を踏まえたターゲット設定と仕掛け

海外からの訪日客と日本国内の旅行客との感覚の違い、それは私たち日本人にとっての海外旅行と国内旅行の違いを考えれば捉えやすくなります。近場の温泉に1泊2日で行く国内旅行と比べれば、時間と費用をかけて出かける海外旅行は、おそらく気軽なものではないでしょう。「今回はハズレだったけれど、また行けばいい」という訳にはいかないのです。そしてもちろん、文化や習慣が異なる場所で旅をしているということがあります。「外国人だから」と特別な配慮がいるわけではありません。むしろ、「時間と費用をかけて来ている」「こちらの常識を知らない可能性がある」ということを踏まえた対応が必要です。

 

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