旅館経営の知恵
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10年後のすがたを考える
旅館はもっと良くなるべきだ
業績評価や経営目標策定にあたって、我々は一般に「対前年比」という物差しを使う。前年の数字を上回ることを目指し、「今月は前年同月を超えたか?」・・・上回っていればよしとする捉え方である。これはこれで意味があるが、目標を「前年超え」に置いた考え方は、無意識のうちに次の2つの前提に立っている場合が多い。 ・前年実績を大きく上回ることはありえない。 ・前年のようにやっていれば前年並みぐらいにはいくだろう。
こうした前提は、とかく新しい何かにトライするということもなく、「無為無策」に終始してしまうことになる。またこの発想には、突発的な事故や災害などのリスクは織り込まれていない。さらに、他社の経営努力も視野に置かれていない。その結果、前年の数字にすら到達できずに終わるという状況が方々で見られる。業界全体が厳しい状況の中で、これまでと同じやり方で前年並みの業績が確保できると考えるのは間違っている。結局ジリジリと後退を余儀なくされ、気が付けば何年かの間に、思惑とはまったく違う結果になってしまう。
・前年比95%が続けば、5年後は最初の年の77%、10年後は60%
・前年比90%が続けば、5年後は最初の年の59%、10年後は35%
売上が今の77%とか59%になった状態は想像するのも恐ろしい。しかし「対前年比」だけでものを考えていたら、こうなる可能性が十分にあることを認識しておかなくてはならない。
業績を伸ばすためには「攻める発想」を持つことが必要である。「攻める発想」こそが「手を打つこと」につながる。
「攻める発想」を持つ原動力は、自社の中長期的な経営展望に照らしてみることである。
10年後の未来にどうなっていなければならないか?
10年後の未来にどうなっていたいか?
10年後における、あるべき財務バランス、持っている強み、顧客との関係、つかんでいる市場、商品のすがた、損益構造などをイメージしてみよう。・・・かなり戦略的な思考ができることと思う。市場の中での自社の「立ち位置」というものを捉え直すこともあり得る。そしてそこから逆算してもろもろの計画を練っていくことは有効である。
・事業をどんな方向にもっていくか?
そのために・・・
・市場に対してどんなアプローチをしていくか?
そのために・・・
・どんな商品を備えていくべきか?
・どんなコスト戦略を描くか?
こうした思考に織り込んでいくものとして・・・
・自社が活かすべき強みは何か?
・変革が求められるのはどの部分か?
といったことを考えていくのである。
(株式会社リョケン 代表取締役社長 佐野洋一)
※当記事は、2015年4月に観光経済新聞に掲載されたものです。
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