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離職を防ぐ!求められる現場の対応力 第三回

前回に引き続き、現場リーダーが知っておくことが良いことについて掘り下げていきます。 今回は(2)ストレスケアについてです。

(2) ストレスケア

ストレスが量的にあるいは時間的にかかりすぎると、さまざまな反応を引き起こします。例えば、頭痛や胃痛、眠れなくなる、疲労感が抜けないなどの「身体的反応」、不安や緊張、怒り、落ち込み、憂鬱な気分といった「心理的反応」、ミスが増えたり、遅刻や欠勤をしたりといった「行動的反応」と呼ばれるものもあります。
これらは「反応」であって、無自覚に起きるものです。しかし、反応はストレスの大きさ次第なので、感じ方や捉え方をコントロールすることで、反応を無くしたり小さくしたりもできるのです。
また、職場の仲間、家族や友人からの心理的・物理的なサポートを受けることで、ストレスを軽減することもできます。
一方、ストレスを放置すると、慢性的な体調不良や強迫性障害、適応障害、依存症さらには総合失調症やうつ病になることもわかっています。
会社から積極的に、気分転換や呼吸法など、個人でできるストレスケアに関する情報提供をしたり、休憩時間を過ごす環境を改善したりすることなどが望まれます。
また、職場のストレスケアには、以下の内容が役立つものと思います。リーダーはまず自分自身のストレスについて考え、それをメンバーのストレスケアに繋げていきましょう。

 

① 仕事とプライベートの時間計画
仕事では時間管理をするものですが、プライベートの時間を余った時間と思わず、仕事とプライベートのバランスを取るつもりで、1 日の時間はもちろん、1週間、1ヶ月、1 年の時間の使い方を考えてみましょう。「時間計画」とは、何かをしなければならない時間をコントロールすることではなく、何かをしたい時間を計画することです。

 

② 適切な委任と協力
自分がした方が早い、伝える面倒がない、と言って、仕事を一人ですべて抱え込んではなりません。任せることにも協力し合うことにも慣れる必要があります。また、名指しで任せたり協力を依頼することが難しいと感じるならば、状況を伝えながら「誰か手伝ってもらえる人はいますか。」と、職場全体に働きかけることから始めてみましょう。

 

③ リラックスと休息の確保
定期的な休息やリラックスの時間を確保し、リフレッシュすることが重要です。休憩時間が取れているか、職場内でお互いに気を配ることや、声をかけ合うことも必要です。また、休憩時間がリラックスできる時間となるように、会話の内容にも気を配りたいものです。

 

④ チームの一体感
仕事は一人でしているのではないことを実感しましょう。特にチームで達成できること、達成できたことに想いを寄せて、期待感と誇りを感じてみましょう。そして、あいさつや感謝の言葉が多くなってきたと感じられれば、一体感が育まれている証拠です。

 

⑤ 段階的目標
達成可能な目標を段階的に設定しましょう。達成までのストレスを小さくすることができると同時に、クリアした喜びが次のモチベーションになります。

 

⑥ 健康なライフスタイルの確保

バランスのよい健康的な食事、運動の習慣、睡眠の時間と質の確保など、健康なライフスタイルをイメージし、楽しみながらその実現に取り組みましょう。健康な身体は、ストレスへの抵抗力となります。

 

⑦ 変化に対する柔軟性
変化をどう受け止めるかは重要です。変化を、新しい自分を見つけるチャンスと捉えたり、この変化に対応する仲間がいることを感じたりすることで、変化を受け止められる柔軟さを持ちましょう。しなやかな心もまた、ストレスへの抵抗力となります。

 

 

これらのストレスケアを取り入れることで、まず現場リーダー自身の心の健康とバランスのよい判断力を維持しましょう。加えて、メンバーのストレスケアが進むことで、本人の働く活力とチーム全体の活力を高められるはずです。

 

次回も引き続き、現場リーダーが知っておくとよいことを掘り下げて考えていきます。

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