株式会社リョケン

旅館経営の知恵

-リョケン研究員が
お届けする経営のヒント-

2.レイトチェックアウト12:00

これから注目すべき旅館業界のキーワード12

Keyword12 A アフターコロナに向けた旅館の商品整備、再構築ヒントとなるキーワードの2つめは、「レイトチェックアウト」を取りあげてみます。

レイトチェックアウト12:00

「チェックアウト12:00では部屋の清掃、セットが間に合わないよ!」との声が聞こえてきそうですね。このキーワードもお客様の旅館の利用パターン、旅行の形態の変化がもたらした新しいニーズです。

 

「旅館でゆっくり過ごす」ことが、前日にお風呂で寛いだ後に食事をしてゆっくりするスタイルから、翌日にゆっくり起きて、のんびり疲れを取ってから宿を発つという、のんびり滞在を重視する傾向が強くなってきたからです。

逆に、チェックインは14:00→15:00に変えても大きな問題は無いようです。チェックイン前の時間に着いた場合、部屋の準備が完了していれば特別に入室を許すこともできるし、部屋セットが完了していなければ、チェックイン時間まで館内の別の施設で過ごしていただくことも可能だからです。チェックイン後/チェックアウト前、どちらの時間を過ごしていただく方が、お客様がより価値観を感じるかという問題です。

 

この検討ができるようになったのは、最近の環境変化に理由があります。個人客化が進んだこと、お客様の少数化により、利用交通手段が行動の自由が利く乗用車の比率が増えたこと、そして旅館客室の寝具のベッド化です。特に、1部屋に2人程度の利用が主体になり、寝具のベッド化が進み、布団敷き、布団上げのための入室作業が無くなったことが大きいですね。チェックアウトタイムまで入室の必要がないため、お客様は部屋でゆっくり過ごしていただくことが可能となりました。運営面では部屋清掃、セッティングの業務が午後からの時間帯に集中できることで、運営シフト面でも業務の集中する8:00~11:00の朝ピークを外すことが可能となります。部屋の清掃・セットは短時間、集中型の業務分担で対応することになります。

 

運営面での負荷が無ければ、「顧客ニーズ優先」「付加価値創造」の方向へ舵を切るべきです。仮に、チェックアウト12:00システムを採用しても、すべてのお客様がギリギリまで滞在することはあり得ません。むしろ朝食時間やチェックアウト時間の集中を防ぐ効用の方が大きく、落ち着いて接客できる状態を作ることが可能になります。大きな弊害が無ければ、チェックイン、チェックアウトタイムの変更を検討してみてはいかがでしょうか?

 

露天風呂付の部屋でゆっくりと「インルームブランチ」を楽しむなんて最高ですね。

 

 

 

 

 

 

 

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