株式会社リョケン

第85回 短観アンケート 「 2022年 夏休みの実績 秋の見込み 」

リョケンでは、全国の旅館・ホテル様を対象に、四半期ごとの実績や見込みをベースにした業界動向調査 「リョケン 短観アンケート」 を、継続的に行っております。
このほど、第 85回アンケート (8月実施分) の集計がまとまりましたので、以下の通りご報告させていただきます。
ご多忙のところご協力いただきました皆様には、心からの御礼を申し上げます。

夏休みの実績 - 感染再拡大も過半数が回復傾向

夏休み(7月下旬~8月)の実績についての回答をまとめました。今回調査結果とともに前回調査の「見込み」と前年調査の「実績」とを比較しています。

 

●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価・総宿泊単価ともに「上昇傾向」との回答が過半数を占め、前回春の調査時の見込みとほぼ同様となりました。「下降傾向」との回答は1割未満でした。
地域別では、甲信越、近畿で「上昇傾向」が4割以下となり、「横ばい傾向」との回答が上回っています。

 

●客数傾向
客数傾向でも「増加傾向」との回答が6割に上りましたが、一方で「減少傾向」が14.7%あり、感染再拡大によりブレーキがかかった状況もうかがえました。
地域別では、関東、東海で「増加傾向」が7割と高く、北陸、近畿では約4割にとどまりました。

 

●規模別客数傾向
規模別の客数傾向(当館)では、大規模で「増加傾向」との回答が66.7%、中規模で59.2%に対し、小規模では52.6%という結果でした。一方で、「減少傾向」との回答は小規模では5.3%と最も少なくなりました。

 

●コメントから見える全体的な傾向
旅行需要の回復機運が高まり、集客が増加傾向にある中で迎えた夏休み期間に、感染拡大第7波が重なる形となり、キャンセル増加などの影響を受けましたが、行動制限の緩和や県民割等の支援策の効果が上回り、好調に推移したことが多くのコメントからうかがえました。

85th夏休みの実績

秋の見込み - 集客への先行き不透明感高まる

秋(9月~11月)の見込みについての回答をまとめたものが右表です。

 

●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価、総宿泊単価ともに「上昇傾向」と「横ばい傾向」がそれぞれ約4割という回答結果でした。
地域別では、総宿泊単価で甲信越、北陸が「上昇傾向」との回答が6割と多くなり、一方で、関東、東海、四国・九州では約3割にとどまっています。

 

●客数傾向
客数傾向(当館)では「上昇傾向」との回答が34.7%、「減少傾向」が26.3%と、非常にばらつきがみられる結果となっています。
地域別での大きな差異はみられませんが、北陸、四国・九州では「増加傾向」との回答は約2割と少なくなりました。

 

●規模別客数傾向
規模別の客数傾向(当館)では、「増加傾向」との回答が、大規模で44.4%、小規模で38.9%であったのに対し、中規模では28.0%と比較的厳しい見込状況となっています。

 

●コメントから見える全体的な傾向
行動制限のない秋の行楽シーズンへの期待はあるものの、感染再拡大への不安もあり、なかなか先の集客動向を見通せないとの声が目立ちました。
県民割の継続や、全国での支援策の展開に期待するも、こうした施策の決定を待って予約の間際化が顕著になっていることもうかがえます。
団体客が戻り始めているとのコメントも見受けられました。また、客室や食事会場、浴場施設等の施設整備への取り組みも多くの施設で進められているようです。

85th秋の見込み

施設からのコメント(抜粋)

今回も多くのコメントをいただきました。

 

【いただいたコメント】

 

●7月連休明けから新規予約の受注増が頭打ちとなり、客数は減少傾向にある。但し単価は下げずに販売を行い、ADRの維持に努めている。(北海道)
●県民割があること、行動制限がないこと、ワクチン接種が進んでいること、祭りやイベントが中止になっていないことなどが上昇傾向の要因。(山形県)
●材料原価や人件費アップにより宿泊料金改定を予定している。(栃木県)
●個人客堅調、県民割続けばこのペースは続く。コロナの爆発的な増加もそれほど影響ない。キャンセル出てもすぐ埋まる。(長野県)
●7月中旬より予約数は鈍化しているが、行動制限もなく旅行マインドも上がっているせいか、昨年の実績をすでに超えた数値となっている。(静岡県)
●7月中旬のコロナ感染者増で取り消しが多く発生したが、夏の受注が早く取り込めていたので目標はクリア。9月は県民割の延長待ちか動きは急激に鈍化。価格訴求を検討中。(静岡県)
●近県のリピーターが非常に多い。宗教団体の予約がある。一般団体はまだの状況。(三重県)
●行動制限がないことや、県民割・ブロック割の効果のため増加傾向。ただし、第7波の影響で一部キャンセルや予約の鈍化が見られる。(石川県)
●家族連れ、特に核家族の旅行がかなり多くみられ、大人人数に対する子ども人数の比率が高まったため、平均単価は下降傾向。(兵庫県)
●9/23に西九州新幹線が開業する。全国割開始にともない、予約が見込まれる。(佐賀県)

弊社では、引き続き皆様に有益な情報をお届けできるよう活動してまいります。
今後ともアンケートへのご協力を 賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。