第98回 短観アンケート「2025年 秋の実績 忘新年会の状況 冬の見込み」
リョケンでは、全国の旅館・ホテル様を対象に、四半期ごとの実績や見込みをベースにした業界動向調査 「リョケン 短観アンケート」 を、継続的に行っております。
このほど、第 98回アンケート (11月実施分) の集計がまとまりましたので、以下の通りご報告させていただきます。
ご多忙のところご協力いただきました皆様には、心より御礼を申し上げます。
<調査期間:2025年11月3日~2025年11月16日、送付数:(FAX)746軒、回答数:37軒、回答率:5.0%、(eメール)395軒、回答数:36軒、回答率:9.1%>
秋の実績 - 単価・客数ともに落ち着き
秋(9月~11月)の実績についての回答をまとめました。今回の調査結果とともに前回調査の「見込み」と前年調査の「実績」とを比較しています。
●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価・総宿泊単価ともに、「上昇傾向」との回答が約6割という結果でした。「下降傾向」との回答はごくわずかで、前回調査での『秋の見込み』を大きく上回りましたが、一方で、前年実績を下回る結果となり、単価向上の落ち着きが見られています。
●客数傾向
客数傾向は、前年の「上昇傾向」から3.7ポイント下回ることとなったものの『秋の見込み』における「上昇傾向」の予想を約20ポイント上回る結果となりました。
残暑の影響により旅行需要が秋の行楽シーズンにずれ、秋の客数の維持につながったものとみられます。
●規模別客数傾向
規模別の客数傾向(当館)では、大規模と小規模では「増加傾向」が約3割でしたが、中規模では4割を超える結果となりました。
忘新年会の状況 - コロナ前の水準には戻らず
忘・新年会の状況についての回答を右表にまとめ、前年調査の見通しと比較しました。
●客単価
前年の見通しでは「下降傾向」が約2割だったものの今回は1割を切り、「横ばい傾向」が7割と、客単価の水準は安定したものとみられます。
●客数傾向
「増加傾向」が1割を切り、「減少傾向」が増加しました。宴会場を減らしたというコメントもみられ、個人客化対応に舵をきった施設の回答が目立つ結果となりました。
冬の見込み - 客数は維持か
冬(12月~2月)の見込みについての回答をまとめました。
●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価、総宿泊単価とも「上昇傾向」と回答した施設は約4割に留まったものの、「横ばい傾向」まで含めると9割を超えています。
●客数傾向
客数傾向(当館)については「増加傾向」が23.9%にとどまり、「横ばい傾向」が5割を超えました。宿泊単価の上昇の影響で、客数が減少したとのコメントもありました。
●規模別客数傾向
規模別の客数傾向(当館)では、大規模で「減少傾向」との回答が約3割に上りました。中規模では「増加傾向」が約3割と最も高く、「減少傾向」が2割を切る結果となりました。
コメントから見える全体的な傾向
今回調査では、大阪・関西万博終了後の影響など、今後への慎重さがうかがえるコメント見られました。
全体として、夏時点での見込みの低さほどではないものの、維持に努めている印象を受けます。
11月以降の万博終了後は減少の傾向にあるというコメントや懸念がみられました。
コロナ禍以降、宴会需要は戻らず、忘新年会利用での予約は限られているというコメントが目立ちました。昨年並の施設や、週末のみに集中している施設もあるなか、団体予約を受け入れていないという施設も多くありました。個人客集客を重視しているというコメントもありましたが、一方で忘新年会に対する営業推進をしているというコメントもあり、地域差がみられています。
前年から引き続き、団体需要の低さへのコメントを多くいただきました。12月までは順調というコメントもあるものの、1月以降は芳しくない状況がみられます。
大阪・関西万博の終了で需要が少しずつ回復しているというコメントもいただきました。一方クマ出没のニュースが目立つ地域では予約控えがみられているようです。
その他「売上回復基調ながら、団体、個人客のバランスが変わり、物価高騰で収益率が悪い」「冬の見込みについては、インバウンドは減少傾向だが、国内のお客様が増加している」というコメントもありました。今後、中国での渡航自粛の呼び掛けが大きく影響する地域も多くあることが見込まれ、国内に対する集客対応への早急な取り組みが必要です。
施設からのコメント(抜粋)
・地域が動かないため、ツアーバスの集客で穴埋めしていきたい。
・泊食分離の進行。
・万博が終了し、宿泊が少しずつもどり気味ですが、物価高の影響もあり、地域の施設が宿泊単価を抑えているので連動しています。
・原材料費、水道光熱費も上昇しているので宿泊単価を上げた。
・顧客向けに秋のダイレクトメールプランを販売した。
・秋の宿泊状況はよいが、12月以降は、まだあまり入っていないので、減少傾向になるのではないかと、心配している。また、忘年会は、若干予約がはいっているが、まだまだこれからだが、全体的には、忘年会をやらない傾向があるので、減少するのではないかと思う。秋には大きな祝賀会があり、また精進落としなどの利用が多かった。忘年会については昨年並みか減少傾向にある。
・(忘新年会の状況)実施をしない企業、団体が増えている。また、休前日に行うところが増えており、平日の需要が少ない。実施するところが減った関係で地域全体で土曜、休前日の会場に空きがあるため、取れる所で実施する傾向がある。
・10月までは万博等の影響を受け、個人、団体共苦戦したが、何とか平日特別プラン等でカバーし、その後は少し回復基調か。
・企業群の忘新年会は多少出て来ているが、以前のような数は難しい。
バックナンバー
過去の調査はこちらからご覧いただけます。
- 第97回 短観アンケート「2025年 夏休みの実績 秋の見込み」
- 第96回 短観アンケート「2025年 春の実績 夏休みの見込み」
- 第95回 短観アンケート「2024-2025年 冬の実績・春の見込み」
- 第94回 短観アンケート「2024年 秋の実績 忘新年会の状況 冬の見込み」
- 第93回 短観アンケート「2024年 夏休みの実績 秋の見込み」
その他、リョケンが実施したアンケート調査結果はこちらからご覧いただけます。