株式会社リョケン

第97回 短観アンケート「2025年 夏休みの実績 秋の見込み」

リョケンでは、全国の旅館・ホテル様を対象に、四半期ごとの実績や見込みをベースにした業界動向調査 「リョケン 短観アンケート」 を、継続的に行っております。
このほど、第 97回アンケート (8月実施分) の集計がまとまりましたので、以下の通りご報告させていただきます。
ご多忙のところご協力いただきました皆様には、心より御礼を申し上げます。
<調査期間:2025年8月1日~2025年8月16日、送付数:(FAX)761軒、回答数:34軒、回答率:4.5%、(eメール)386軒、回答数:48軒、回答率:12.4%>

夏休みの実績 - 酷暑の影響大きく、伸び悩み

夏休み(7月下旬~8月)の実績についての回答をまとめました。
今回調査結果とともに前回調査の「夏休みの見込み」と前年調査の「実績」を比較しています。

●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価の「上昇傾向」は、見込みを下回って41.5%となりました。前年実績と比べると、20ポイント近く下がる結果となりました。総宿泊単価においてはさらに顕著で見込みを8.5ポイント下回りました。
夏休みも、猛暑の影響か入込が落ち着いているとのコメントもあり、伸び悩みがうかがえます。

●客数傾向
客数傾向(当館)においても、前年実績を下回り「増加傾向」は20%を切る結果となりました。近畿・四国・九州地方では「減少傾向」が半数以上を占めています。

●規模別客数傾向
規模別の客数傾向(当館)では、規模を問わず「増加傾向」との回答が「横ばい傾向」「減少傾向」を下回りました。小規模施設においては「増加傾向」と回答した施設はなく、いずれにおいても厳しい状況がうかがわれます。

秋の見込み -物価高続き、集客見通しに不安

秋(9月~11月)の見込みについての回答をまとめました。

●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価、総宿泊単価ともに「横ばい傾向」の見込が過半数を占め、特に総宿泊単価においては「上昇傾向」は28.4%に留まりました。9月は夏に引き続き伸び悩んでいるとのコメントもありました。一方で10月、11月は例年並みの傾向にあるようです。また、気候変動の影響に大きく左右されることを危惧するといったコメントも見受けられました。

●客数傾向
客数傾向(当館)では、「増加傾向」との回答は17.1%に留まりました。
全体として9月は客数の出足が鈍く、物価高や猛暑余波、大阪・関西万博の影響などで非常に厳しい見通しがうかがえます。一方、10~11月は行楽・団体・催事で持ち直し期待がありますが、予約の直近化や価格見直しへの対応が求められます。

●規模別客数傾向
規模別の客数傾向(当館)では、大規模施設では3分化したものの、中・小規模では「横ばい傾向」が過半数を超える結果となりました。

コメントから見える全体的な傾向

大阪・関西万博の影響も大きく、例年と比べ入込が厳しいというコメントが目立ちました。また、酷暑や物価高騰の影響もあり、全国的に予約の直前化や伸び悩みに繋がっている傾向にあるようです。
9月を中心に出足が鈍く前年割れや客数減の声が多く、要因として物価高や猛暑の余波、大阪・関西万博の影響、などを挙げるコメントが見受けられました。泊食分離の進行、高単価客室の不振など、傾向の変化がありつつも、会議付き・学生など団体や催事に回復期待が寄せられます。
地域差も大きく、大阪・関西万博の影響で東海・北陸に逆風が及ぶ一方、インバウンドの増加で横ばいを保つ施設も見受けられました。
10~11月の行楽・団体での持ち直しに期待しつつも、直近化への対応やレベニューマネジメントは欠かせないようです。

施設からのコメント(抜粋)

・香港やシンガポール。大地震ニュースで海外団体は減少するも個人はさほど影響なく、夏~紅葉シーズン動きがある
・順調に売上を獲得していく見込みではあるが、冬場に備える分まで確保出来るかが心配なところ。
・9・10月も動き出しが遅くなっている。この状況だと再度対策プランを出さざるを得ない。
・猛暑、他地域と相対的に交通インフラが遅れていること、海水浴客の減少傾向等、複合的な要因により、以前は夏は繁忙期だったが、お盆の1週間を除き、8月の集客は他の月より悪くなってきている。
・会議付き団体の誘致・増収増益企業に対する「特別プラン」のDM送付を行う
・宿自体が直近で予約数が増える傾向があるため、最終的には横ばいとなる可能性が高い。
・万博の影響が大きいと思われる。OTAのセール、クーポン等に積極的に参加して予約数を伸ばしている。下降気味ではあるがOTA原資のセールが多いので、利益は確保している。