株式会社リョケン

ホテル華の湯

商品力強化と生産性向上を果たすための
「コンベンション棟増築プロジェクト」

ホテル華の湯(福島県・磐梯熱海温泉)

ホテル華の湯は、いち早く事業所内保育所を設立するなど、福利厚生面、経営効率面も重視した経営を展開し、
常に時代のニーズを先取りしてきた。
次の時代を見据え、コンベンション施設とダイニングの整備で、新たな顧客の取込みと生産性の向上を目指す。

ツインコンベンション棟で、新たな『創客』を目指す

磐梯熱海駅前から続く温泉街に位置し、
街の歴史や萩姫の逸話の語り部として温泉交流の場を提供している栄楽館。
地元のお客様に古くから愛されてきた栄楽館が、
新たな敷地を求めて新温泉街の中心に昭和63年に建てたホテル華の湯。
東日本大震災の危機を乗り越え、
1日も休むことなく営業を続けてきたホテル華の湯が新たなステージを迎えた。

ツインコンベンションによるMICE需要の開拓

ホテル華の湯では、会議研修を伴うお客様の比率は平均30%前後だった。特に、一般観光客の少ない2~4月、6~7月、9月は会議関係のお客様が全体の40%以上になることも多く、団体利用のお客様の多くが、会議形態を伴った宿泊だった。
そこで、これまであったコンベンション「華胥」に連結させる形で新コンベンション「風の杜」を増築することにより、会議では500 名、パーティーでは700 名、イベントでは1,000 名規模の団体対応が可能となった。

ホテル華の湯・コンベンションホール「華胥」

新コンベンションの最大の特徴は、複数のコンベンションで、双方向での映像音声のやり取りがリアルタイムで行える点にある。複数会場において同時性を確保することにより、臨場感溢れるコンベンション運営が可能となった。
各ホール・会議室にスクリーン・プロジェクターを完備し、「華胥」と「風の杜」には、260 インチの電動昇降スクリーンと天吊型
のプロジェクターを設置することで、視覚性が向上し、無駄なスペースが解消されている。
また、中間に会議室「けやき」と「五百川」を配置することで、分科会などの開催が可能となっただけでなく、300 名規模のパーティーでも会議終了後、即座に開宴することが可能になるなど、多彩な演出・利用展開が可能となった。

ホテル華の湯

食の魅力の追求 「ツアービュッフェ」で食空間を演出

コンベンション棟の増築に伴い、コンベンションに隣接した第二厨房を改修し、サテライト厨房とすることで、厨房システム全体の大きな見直しを図った。また、これまで会議等と兼用していたダイニング会場を「ダイニング専用会場」としてリニューアルし、本格的なビュッフェ演出と共に、食事を楽しむ空間としてのグレードを向上させた。
新ビュッフェダイニング「飛翔」は、客席数272 席を備え、4つのゾーンと4つのグループ個室から構成。ビュッフェを囲むようにして客席が配置され、お客様はツアーのようにダイニングをめぐることで、食事を楽しむことができる。

ホテル華の湯・ビュッフェダイニング「飛翔」

ホテル華の湯は、震災後、「ふくしま応援! 元気応援!」をテーマに掲げ、地域の生産者と連携を進めている。新たなダイニングでは、食の地産地消に一層こだわった。
ビュッフェの一角には「地場産館」コーナーが設けられ、福島の食材を使った料理が並び、地元の生産者を紹介するパネル演出がなされている。
「お!ちょこ横丁」では福島の地酒を中心に、日本酒の飲み比べができる「おつまみセット」が好評を博しています。スタッフがお客様とより密接にコミュニケーションをとることのできる場として機能している。

ホテル華の湯・地場産館

革新的な厨房設計

コンベンションとダイニングの新設・改装に伴い、その運用に合わせ厨房体系の抜本的な刷新を行なった。3つの厨房の役割を明確にし、作業工程を整理することで、「衛生管理」とメイン・サテライトとして「作業効率」の両立に成功した。
今回の厨房設計においては、HACCP基準(危害分析重要管理点方式)に準じた高度な衛生管理を目指している。
メイン厨房である第一厨房では、下処理から仕込み、仕上げまでを一括で行いつつ、サテライト厨房であるビュッフェ厨房、第二厨房に半製品の供給を行なう。各サテライト厨房には温蔵庫、冷蔵庫が完備され、料理提供までのロスを最小限にする工夫がなされている。

ホテル華の湯・厨房

第一厨房からの半製品を納品する動線と下膳動線を完全に分離し、床を調理(盛付)側と配膳側で色分けし、動線の区分けを視覚化することで、効率的かつ衛生的な運営が可能となった。
さらに、これまでむき出しだった配管をカバーで覆う、機器下を床面から15 ㎝以上の高さにする、配膳台は継ぎ目なしの天板とする、作業台をキャスター付きのものにするなど、清掃性を向上させる衛生対策を各所で行なった。
こうした厨房設備の刷新とともに、情報伝達一体化システムと連動し、仕入管理をオンライン上で行うことのできる発注管理システムを構築した。

ホテル華の湯・厨房床
ホテル華の湯
ホテル華の湯
住 所
福島県郡山市熱海町熱海5丁目 8-60
客室数
162室
着工
2017年6月
グランドオープン
2018年7月
総投資額
約13億円