冬（12月～２月）の実績についての回答をまとめました。今回調査結果とともに前回調査の「見込み」と前年調査の「実績」とを比較しています。

●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価・総宿泊単価ともに、「上昇傾向」が７割を超えており、前回調査の「冬の見込」での回答も大きく上回りました。地域別の「総消費単価」でみると、北海道・東北、関東、北陸で「上昇傾向」が８割を超えており、特に高い結果となりました。

●客数傾向
客数傾向は「増加傾向」が５割を超えて、減少傾向は15.6％にとどまりました。地域別では、東海で「増加傾向」が８割を超えており、一方、北陸では「減少」が「増加」を上回っています。

●規模別客数傾向
規模別の客数傾向(当館)では、いずれの規模でも「増加傾向」が半数を超えていますが、「減少傾向」との回答は規模が小さいほど少なく、中・小規模でより強く回復傾向が表れているようです。

●コメントから見える全体的な傾向
全国旅行支援の効果により、単価をアップしつつ、客数を伸ばすことができたとのコメントがたいへん多くみられ、需要回復の強力な後押しとなったことがうかがえました。

春（３月～５月)の見込みについての回答をまとめたものが右表です。

●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価、総宿泊単価ともに「上昇傾向」が６割を超え、「下降傾向」との回答はごくわずかという結果で、引き続き単価向上への意欲が強く感じられます。地域別では、いずれの地域でも「上昇傾向」との回答が最も多く、「総消費単価」で関東が75％、北海道・東北、東海、北陸、中国でも６割を超えています。

●客数傾向
客数傾向（当館）では「増加傾向」との回答が５割となり、「減少傾向」は約２割という結果でした。近畿、中国で「増加傾向」が６割を超えており、一方で関東、北陸、四国・九州では約３割となっています。

●規模別客数傾向
規模別の客数傾向（当館）では、大規模施設で「増加傾向」との回答が72.7％とたいへん多くなった一方で、中規模で45.2％、小規模では38.5％となっており、中・小規模施設では、今後の集客には慎重な見方が多いようです。

●コメントから見える全体的な傾向
全国旅行支援の効果もありますが、感染対策の緩和が進み、旅行マインドの回復が実感されていることが、多くのコメントからうかがえました。また、団体需要の回復や、インバウンドの急拡大についてのコメントも目立ちました。

一方で、人手不足での営業制限や物価高騰、光熱費の上昇といった問題が深刻化していることも指摘されていますが、そうした中でも、施設改修などの商品力整備やレベニューマネジメントの導入など、単価の向上や需要の取り込みへの努力が多くの施設で進められていることがうかがえました。