株式会社リョケン

第84回 短観アンケート「2022年 春の実績 夏休みの見込み」

リョケンでは、全国の旅館・ホテル様を対象に、四半期ごとの実績や見込みをベースにした業界動向調査 「リョケン 短観アンケート」 を、継続的に行っております。
このほど、第 84回アンケート (6月実施分) の集計がまとまりましたので、以下の通りご報告させていただきます。
ご多忙のところご協力いただきました皆様には、心より御礼を申し上げます。

春の実績 - 単価、客数ともに回復の実感高まる

春(3月~5月)の実績についての回答をまとめました。今回調査結果とともに前回調査の「見込み」と前年調査の「実績」とを比較しています。

 

●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価・総宿泊単価ともに「上昇傾向」との回答が約6割と、前回調査時の見込みに対して倍以上と多数を占めており、「下降傾向」との回答はごく少数でした。地域別では、北海道・東北と北陸で「上昇傾向」が8割を超えています。

 

●客数傾向
客数傾向は、前回調査で「増加傾向」との見込みが22.1%であったのに対し、実績では80.2%にのぼりました。「減少傾向」は7.3%とここでもごく少数となりました。地域別では、北陸ですべての施設が「増加傾向」と回答したほか、北海道・東北と関東でも約9割となっています。

 

●規模別客数傾向
規模別の客数傾向(当館)では、いずれの規模でも約8割が「増加傾向」と回答していますが、大規模では「減少傾向」が12.5%あるのに対し、小規模では「減少傾向」の回答はありませんでした。

 

●コメントから見える全体的な傾向
前年同時期には業績見込みへの見方にはばらつきがありましたが、今回は「増加傾向」との見方が大多数となっています。前回2月調査の見込みも大きく上回り、コロナ禍からの回復の実感がここにきてかなり強まっていることがうかがえます。

短観84回グラフ春

夏休みの見込み - 回復傾向強まるも支援策に期待

夏休み(7月下旬~8月)の見込みについての回答をまとめたものが右表です。

 

●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価で「上昇傾向」が6割を超えており、「減少傾向」との回答は2.1%にとどまりました。地域別では、近畿で「上昇傾向」が7割を超えたほか、北海道・東北、北陸でも6割を超えています。一方で、中国、四国・九州では約3割でした。

 

●客数傾向
客数傾向(当館)でも「上昇傾向」との回答は6割を越えており、「減少傾向」との回答は8.4%でした。地域別での大きな差異はみられませんが、東海、四国・九州では「減少傾向」の回答はゼロでした。

 

●規模別客数傾向
規模別の客数傾向(当館)では、大・中規模で2/3が「増加傾向」と回答しているのに対し、小規模施設では48.3%と慎重な見方がうかがえました。

 

●コメントから見える全体的な傾向
前年同時期は緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が継続している状況でしたので、前年を上回るという見方が多数となりました。
都道府県の支援策が大きく貢献しているとのコメントが多くみられ、その継続やGoToトラベル再開への期待の声が引き続きあがっています。
また、特に夏に向けて、各地のまつりやイベントの再開に期待するコメントも数多く、市場の本格的な回復傾向が感じ取れる結果となりました。コロナ期間中に客室改装など整備を進めた施設が業績に貢献している、というコメントもみられました。

短観グラフ夏休み

施設からのコメント(抜粋)

今回も多くのコメントをいただきました。

 

【いただいたコメント】

●本年度は客単価を上げる方針で受注を行っているため、客数の減少を単価でカバーする。域内のお客様は助成施策の反動により減少。(北海道)
●4月から値上げ実行しました。この先どう影響が出るかと考えている。(山形県)
●昨年度のような「固定資産税の減免」等の出費を抑える(資金出口)施策を、国に実施して欲しい。
・・・旅館業は、土地面積を大きく必要とする商売であり、特に地方では駐車場の整備も必須。(栃木県)
●夏の見込みについては、現在予約状況が昨年より減少していますが、GOTOキャンペーンの再開を見合わせている様子でしょうか?(栃木県)
●常連客の予約は入って来ているが、新たな新規のお客様が少ない。状況を見て期間限定のプレミアム特典の付加検討。(新潟県)
●夕食スタイルをビュッフェスタイルに変え、中心顧客をファミリーにした事による効果。(新潟県)
●ネット・直予約が伸びている。一般旅行業者も回復してきているが、大手旅行業者が一向に伸びない。(新潟県)
●春は静岡元気旅、夏は2年ぶりに花火大会や各祭りの開催予定で客足が見込まれる。(静岡県)
●観光庁の高付加価値補助金の採択を受け、特別室にリニューアル。(2部屋)(静岡県)
●ウイズコロナ対策の一環としてSDGs活動やサスティナブルツーリズムの価値観を再認識することで
地域一体となった観光プランを提案していきたい。(三重県)
●昨年リニューアルをしたコロナにも対応をした客室の稼働が高く、宿泊単価、売上アップに繋がっている。(滋賀県)
●やはり県民割の補助がある時とない時の動きが極端に違います。何もなくなった時の動向がおそろしい。(兵庫県)

弊社では、ひき続き皆様に有益な情報をお届けできるよう活動してまいります。
今後ともアンケートへのご協力を 賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。